
明るくして眠ると太る?睡眠には足元に間接照明を置こう
人間は暗くなったら眠るためのホルモン、メラトニンが分泌されるようにできています。よく眠れるかという問題に光はとても重要なファクターなのです。
就寝中真っ暗だと眠れなくなってしまう人もいます。そんな人は豆電球などの小さな明かりをつけますよね?でもその光は睡眠にとって良いのか悪いのかよくわからない部分でもあります。
睡眠に大きく関わるメラトニン物質
まずは光と睡眠の関係について見ていきましょう。メラトニンは脳にある松果体という部分から分泌されるホルモンです。自然な眠気を誘発することから「睡眠ホルモン」とも言われています。この物質が良質な睡眠につながるんですね!
朝目覚めて光を浴びると体内時計がリセットされます。この体内時計から信号が送られメラトニンの分泌がストップします。メラトニンは目覚めてから14〜16時間ごに再び分泌されます。この14時間後あたりからメラトニンの分泌量が増えるのです。
しかしメラトニン分泌量が増える時間帯に青白い光や白い光を浴びてしまうと、体が勘違いを起こしメラトニンの分泌量を抑えてしまいます。これが不眠や睡眠不足につながる原因です。
このようにメラトニンは光によって分泌の調整がなされます。ですので体に浴びさせる光というのは睡眠にとても重要なのです。豆電球の光はどうなのか気になるところです・・・。
真っ暗闇と光のもとではどちらが眠れるのか
真っ暗でないと眠れない人と、少しでも明かりがないと眠れない人がいますが、どちらが睡眠にとって良いのでしょうか。それも個人差がありますが、昔からのDNAも関係してくるかもしれません。
・真っ暗闇いいという説
目は光を感知することによって、脳に指令が行き渡り、脳内でコルチゾールというホルモンが分泌されます。これが原因となり睡眠の途中で起きてしまう原因です。逆に真っ暗の光が出ていない状態だとメラトニンが分泌され、睡眠へと誘います。
この覚醒ホルモンと睡眠ホルモンのバランスを整えて、正常な生活リズムを構築するには、暗闇が必要になるというわけです。
・少しの明かりある方がいいという説
遥か昔、人間は就寝時に焚き火をして外敵から身を守っていました。さらに夜は月明かりの下で寝ていたと考えられます。このような状況から一切明かりがないことは異常だと体が感じます。そして脳が緊張状態になってしまうのです。ですので月明かりくらいの光があった方が自然だと言われています。
豆電球と月明かりの光の強さ
2つの説があるように、人間はどちらかに分かれます。では昔は自然だったと言われる月明かりと現代の小さな光の豆電球の光の強さを比較してみます。
月の光は約0.2~1.0ルクスと言われています。一方で豆電球は約9ルクスと言われています。その差は大きく離れていますね。つまり豆電球の光は就寝時には強すぎるということです。
さらに天井についているような豆電球では光が直接目に入ります。これがメラトニンに影響し、睡眠を妨害する可能性があります。
明かりがどうしても欲しいなら足元に置くような間接照明がベストです。
睡眠不足だけではなく肥満にも影響する光
明るすぎる光が睡眠を妨害することがわかりましたが、実は肥満にも影響があります。アメリカの研究で「3ルクスと9ルクスを比べると肥満リスクが1.9倍違う」という結果が発表されました。
睡眠に関しては10ルクス以上がメラトニンの分泌を抑えるそうです。どうしても明かりが欲しいなら、この結果を見て0.2〜3ルクスの間で発光する照明を使用した方が睡眠にも肥満にも影響が低くなります。
豆電球の光はギリギリ睡眠への影響は低いですが、肥満を誘発するリスクが考えられるので、やめた方が良さそうです。
寝室の明かりと就寝時の明かりの取り入れ方
では就寝前の寝室の明かりをどのようにしたらいいのか見ていきましょう。睡眠時には青白い光ではなくオレンジ色がいいとされています。オレンジ色を発光する電気には白熱灯があります。白熱灯は蛍光灯とは違い柔らかな光を発光します。寝室や間接照明の電気を白熱灯に変更するのがオススメです。
もし光の強さを調整できるなら、それも試しましょう。オフィスでの強い光が500~1000ルクスと言われています。それを鑑みて100~300ルクスくらいの控えめな明るさが就寝前にはベストです。
そして就寝時には足元を照らす間接照明がオススメです。天井についている豆電球はやめましょう。できればギリギリまで光度を調整できるタイプがいいですね。または遮光カバーがついているようなタイプを選びましょう。
また最近では蛍光灯やLED電球にも白熱灯のようなオレンジ色を発光する種類も出てきました。「白熱電球型」というふうに記載されているはずです。そのタイプを選んでも大丈夫でしょう。
まとめ
就寝時の豆電球は睡眠を促すメラトニンへの影響は少なさそうです。しかし食欲を抑えるホルモンには悪影響を及ぼすので、使用しないほうが無難ですね。どうしても明かりが欲しい人は、間接照明で光を調整しましょう。