
バリュアブルスリーパーの睡眠時間が最も寿命が長い?睡眠の種類は長生きと関係するか
バリュアブルスリーパーとは、1日の睡眠時間が6〜9時間の人をいいます。
日本人の平均睡眠時間が7時間ですから、その前後の平均的な睡眠時間をとっている層と言えるでしょう。
ところでこの層が最も寿命が長いとも言われていますが、本当なのでしょうか?
睡眠の種類や長さはいったい長生きと関係するのかどうか、様々なデータを見ながら検証してみましょう。
平均的な睡眠時間のバリュアブルスリーパー。
この層の寿命が長いとは本当でしょうか?
バリュアブルスリーパーの睡眠時間
あなたは一日に何時間睡眠をとっていますか?
調査によると、日本人の平均的な睡眠時間は7時間だそう。
ちょうどこの時間の前後、6~9時間睡眠をとっている人をバリュアブルスリーパーと呼びます。
一説によるとこの層の寿命が一番長いとされているのですが、やはり平均的な時間を寝ていると、体が休まり負担が減るからなのでしょうか?
また、人間は寝ている間に体を修復しているので、睡眠時間が短いとそれが十分に行われず、寿命に関係してくるのでしょうか?
気になる睡眠と寿命の関係を探ってみましょう。
睡眠時間が短い人、長い人
ところでバリュアブルスリーパー以外は、なんと呼ばれているのかというと、睡眠時間が平均より短い人はショートスリーパー、平均より長い人はロングスリーパーと呼ばれています。
バリュアブルスリーパーは平均に近いだけあって人口比で見ると一番多く、全体の80~90%を占めています。
ちなみにショートスリーパーとロングスリーパーは、それぞれ人口に対して約5~10%と低い数字に。
では単にバリュアブルスリーパーが人口に対して占める割合が多いので、長生きする人も多くなるということかというと、そうではありません。
バリュアブルスリーパーが寝ている間、何が体に起こっているかを知ることが、寿命についても知るカギになりそうです。
短い睡眠時間でも平気な人
ではショートスリーパーは少ない睡眠時間で、どうやってこれらの休息や成長を得ているのでしょうか?
人間は浅い眠りであるレム睡眠から、深い眠りであるノンレム睡眠へとスイッチングし、行ったりきたりを繰り返して、後半はレム睡眠が大半を占めるようになります。
ショートスリーパーは概してレム睡眠が短いので、長時間寝なくても深い眠りを効率よく得られるのです。
たくさん寝ないと寝た気がしない人にとっては、うらやましい限りですね。
そもそもなぜ睡眠が必要なのでしょう
睡眠とは、病的ではなく意識を喪失している、生理的な状態のこと。
人間は寝ることで脳や体を休ませており、また寝ている間に成長ホルモンが分泌されて文字通り成長したり、体を修復したりしています。
眠らない状態が続くと、一瞬だけ眠りに落ちるマイクロスリープが頻発してしまうように、寝ないでいることは不可能なのです。
また脳は寝ている間に休んでいるだけではなく、老廃物を浄化していると言われます。
脳には体のようにリンパ管がないのですが、代わりに脳内にある脳脊髄液が老廃物を吸収して、血液中に排出しているとのこと。
なので寝不足なるとアルツハイマー病の原因にもなると言われるほど、老廃物を溜めないことは脳にとって大切なのです。
睡眠が足りないと事故の元に
寝ることで脳へと送られる血液の量も増えるので、脳に栄養が行き渡りダメージが修復されますが、それだけではなく免疫力もアップするので、病気にかかりにくい体を作ります。
そういった生理的理由が寿命に影響を与えるのは明白ですが、睡眠不足による身体ダメージによって起こる事故も、寿命の長短に関係してくる可能性も。
例えば睡眠時間が足りないと、運転など視覚を必要とする動作でミスが多くなります。
これによって交通事故を起こすリスクや、工場でのオペレーションを担当する人のミスがアップし、つまりは事故死が増える可能性もあるのです。
質の良い睡眠が寿命を延ばす
まったく寝ないのは脳と体に対してダメージを与えてしまいますが、ショートスリーパーの例もあるように、短い時間でも質のよい睡眠が得られていれば、健康を保つことが可能です。
なので横になってもなかなか入眠できなかったり、気になることがあって眠りが浅かったりと、睡眠の質がよくなければ長時間寝ていても意味がありません。
また、寝だめという言葉がありますが、基本的に寝だめはできません。
それどころか必要以上に長く寝ることで、その人の睡眠リズムが狂ってしまい、その後の睡眠の質に悪影響を及ぼすことも。
なので仕事が忙しくて休日に寝だめしている、という人は要注意です。